因縁のおはなし
人の運命を左右するもの…【因縁】
古くから仏教では、因縁果報と言い、因縁とは原因、果報とは、その結果と報いのことです。
だから果報は因縁で決まります。
善因善果(良い事をすれば、良い結果がもたらされる) 悪因悪果(悪い事をすれば、悪い結果がもたらされる)という基本的な宇宙の原則があり、自然界は人間も含め、全て、この原理で動いています。
そこで因縁には善因縁と悪因縁があるというわけですが、善因縁は、良い結果しかもたらしませんから問題はありません。
私たちが生きてゆく上で障害となるのは悪因縁です。
その悪因縁には、霊障から来るものと業障から来るものがあります。
次にそれを説明します。
霊障…
わりと耳になじみの深い言葉だと思います。
でも、その正体を知っていますか?
あなたの肉体には、あなたの魂(霊)が宿っています。もしも、そこに、肉体を持たない別の霊(つまり死霊や生霊)が入り込んだらどうなるか…
一つの体に、本人の他に何体もの別人の霊が宿って、その体を使おうとすれば、当然、心と体に大きな歪みがでます。自分の体なのに、内蔵の働きや血流を阻害されて原因不明の病気になったり、脳を占領されて、本来の自分ならとてもありえない行動や間違った選択をしたり、ひどい場合は分裂症になったり、うつ病になったりもします。
簡単な説明ですが、霊障とは、このようなものです。
これらの霊障の原因の霊のうち、最も多いのが、先祖霊です。
昨今、先祖供養に対する考えが、非常に希薄になってきているのが原因でしょう。
業障…
業とは、
後に結果を結ぶ原因としての行いの事です。
仏教では、身業・語業・意業の三つを三業と呼び重んじています。
行動によって作られるのが身業。
言動によって作られるのが語業。
思念によって作られるのが意業。
考え、言葉に出したり、実行したりして私たちは生活しています。
実際の行動の善し悪しで結果が大きく左右されますが、 まず、思いを廻らすことで行動に移るのですから、 心の持ち方ひとつで、また、その人の考え方次第で行動は決定されます。
よく「業が深い」とか「日頃の行いが悪い」とか言われます。 悪行を積むと悪い報いをうける、という意味ですが、あまり意に介している人は居ないようです。
昨今の物質文明が人の心まで物質化してしまったのではないでしょうか。
やはり、後で後悔することの無い生き方をすべきでしょう。